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3.再会 1 翌朝7時。 SP本部3階のダイニングルームでは、ユージのピアノ伴奏で賛美歌312番が歌われている。 朝食前の礼拝が行われているのだ。 宇宙ステーションの朝は、朝日とともにという訳にはいかない。 時刻に合わせた照明パターンが朝、晩を作る。 朝である今は、少しブルーの強い照明が使われており、窓の無いこのダイニングルームも『作られた朝日』に包まれ、天井から吊ってあるアイビーが朝露に濡れているように見えてみずみずしい。 3つの大きな楕円のダイニングテーブルにはSP隊員の他に、オレンジ色のユニフォームを着た管制塔員が2名、私服姿のクリニック職員が2名座っている。 クリニックは1階にあり、24時間受け付けている。 クリニック職員と管制塔員は夜勤開けで、次の担当者と今バトンタッチしてきたところである。 SP隊員はこの上の4階をプライベートルームとしているので、多少寝ボケた顔をしているのは寝起きだからだ。 ライトブルーのSPユニフォームを着ている者もいれば、私服を着ている者もいる。 ユニフォームを着ている者は午前中にSPの仕事が入っているのだ。 ここ宇宙ステーション辰星(しんせい)ミクロのSPは9名。 このダイニングルームにはピアノを弾くユージを含めて5名、後の4名はプライベートルームでまだ寝ているか、別途のスケジュールをこなしているかである。 賛美歌を歌う彼らの前に、ホットミルクやホットサンドイッチがホカホカと湯気を立てている。 これらはカウンターの向こうで立ち働くロボット達が作ったもので、朝食はいつも彼らが心を込めて(*^_^*)作ってくれる。 ちなみに昼食は人間のコック、夕食は各自で作るかロボットに予約を入れるか、となっている。 賛美歌が終わると、黒いルーズな部屋着を着たSP隊長のラインが祈りの言葉を選び始めた。 「天にまします我らの父よ。今日もこのように温かい朝食をありがとうございます。今日の賛美歌の伴奏者は新入SPのユーギンガ・ルナでした。新しい仲間とこうして集えることに感謝いたします。この小さき祈り、主イエスキリストの御名を通して神の御前にお捧げいたします。アーメン」 ラインの言葉が終わると、 「アーメン」 テーブルにつく者達から声が返った。 宇宙ステーションにもやはり『天』はある。 ここの住民自体『天』の中に居る訳なのだが、『天』の中で暮らす時代になっても神の国は『天』と言われており、祈りを捧げる彼らは『天』の神に守られたプロテスタントのクリスチャンなのだ。 SP隊員の通う全寮制の学校SSA(Saint Starlights Academy)はキリスト教を信仰としており、日曜日にはSSA内の教会で礼拝が行われている。 朝食前のこの祈りの時間はSSAの学生であるSP隊員に合わせて設けられているのだが、ここで勤務する者にSSA出身が多いこともあって、意義無く長年続いている。 祈りの言葉は、SP隊員が順番に『お祈り当番』している。 賛美歌のピアノ伴奏はラザレスか、ピアノ初心者のリスクがしぶしぶ担当してきた。 そのリスクがピアノ学生ユージの出現をどれほど喜んだことか。 礼拝が終わり朝食が始まった。 ピアノから食事のテーブルに着いたユージにリスクがまず言った。 「うまいっ!」 ユージはきょとんとリスクを見た。 目の合ったユージに、リスクはもう一度言った。 「うまいっ! ユージ先生!」 リスクはさらにパチパチと手も叩いた。 ユージは戸惑った様子で少しだけ微笑んだ。 ユージは朝食にルーミー(同室者)のアリンがいなくて心細く感じていた。 小さい体をさらに小さくしている。 仕事にも慣れていない上に、SPメンバー仲間にも緊張していた。 ユージのフォロー担当のラザレスはすかさず、 「リスクほめすぎ! ユージには簡単な曲なんだから」 調子のいいリスクをたしなめた。 「簡単な曲?! そのセリフ、オレも言いてぇ」 リスクがテーブルをピアノのようにタンタンと弾いた。 |
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日記に続き小説も再開されたのですね♪ |
carrot 2008/02/23 11:46 |
>carrotさん、 |
ゆつ 2008/02/24 00:17 |
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